腱鞘炎などの障害
「腱鞘炎など」と表記している理由は、その症状を訴える人の多くは正確には「腱鞘炎」ではなく、その他の部位の炎症や障害のケースが多いからです。
原因は、ほぼ間違いなく「フォーム&動作の悪さ」から来ているので、重複しますが、その切り口でお話しします。
症状は痛み・違和感・動きづらさ
基本的に「痛み」が出ることが多く、強い疲労感や腕・肩・首のコリや腰痛などを併発(あるいは前段階から)するケースが多いようです。
原因は、何度も書きますが「フォーム&動作方法・加重(押弦)方法の悪さ」に尽きます。
「練習方法が悪い」との見解を示す方もいますが、そうは思いません。もちろん、強く疲労している状態(=筋肉や筋が強張っている状態)で演奏しようとしても、うまくゆくわけがないので、その状態で弾き続けていることを、「練習方法が悪い」というなら同意します。
正確には「腱鞘炎」ではない人が圧倒的に多い
自分は「腱鞘炎」ではないか?とぺぺタス・ギター教室と関わる方の多くは、特定の指や関節に痛みを訴えるわけですが、症状を訴えるギタリストが実際に腱鞘炎である確率は3割程度と報告されています。では、何なのか?となりますが、筋肉痛や付着部炎などと思われます。
そして殆どは(当校実績では全症例)フォーム&動作&押弦(加重)方法を改善(というより、正しい方法の新規取得)で問題解消しました。
もちろん、専門医の診断を受けることをお勧めします。しかし、症状の発生原因が明確なわけですから、その原因を取り除くことで根本解決となる場合がほとんどです。
体にとって演奏行為はスポーツ
ギター演奏は、体にとってはスポーツですから、合理的なフォーム・動作・加重を行う必要があります。というより、これによってきわめて有利に演奏行為を行えますから、上達に必須の項目、と言えます。
ですから、症状の根本解決後も教室に通い続ける生徒さんが圧倒的多数です。理由は簡単~メキメキ上手くなり続けるからです。
指が痛くて、30分連続で弾けなかった方が、数年経った今ではバッハをバリバリ弾いている、なんてぺぺタスでは当たり前の例です。当然、入学理由は「リハビリ」でしたが、数か月で根本解決し、それ以降は【ただひたすら上達のため】のレッスンです。
オーバーユース障害も考えられるが
読んだ通り、「使いすぎ」ですね。正しいフォームで演奏していたとしても、継続的に極めて激しく弾き続けていたら、当たり前ですが過労となり、うまくゆきません。
ここで、記憶してください。「疲れない演奏法は無い」ということを。
どんなに合理的で優れた演奏方法でも、疲労は発生します。したがって、適度に休む(リカバーのため時間をとる)ことは必須で、加齢に応じて重視されるべき点と思います。
ならば、適度に休めば治る程度のレベルに納まる訳で、:
・オーバーユース障害で悩む=オーバーユース障害が頻発している=やはり弾き方が悪い人~
と考えて良いのではないでしょうか?要するに、弾き方の悪さの程度が低い、とでも言えば適切でしょうか?
フォーム・動作・加重の改善に取り組む
前述の通り、ほとんどの場合「悪い弾き方を長期間続けた」ことに起因します。
もちろん、個人的な因子はあるでしょうが、「ジストニア」とは決定的に違い、「発症していても、取り組むことで改善できる」ことも大きな違いです。
「うまく弾けない」状態は、基本的に「その運動動作を体が難しいと感じている」わけで、それを「練習」という名の繰り返しで「手、指」に強要するのだから、壊れもするでしょう。
「駄目なものを繰り返すのは、下手くそになるための練習である」ことを認識してください。
教わった方法に真摯に取り組み、2カ月やっても効果がなければ、教師が悪い」と判断して、間違いありません。
真面目な方ほど「教師を疑いません」ね。
しかし、「自分の体の悲鳴」に敏感な人なら「肩、首のコリや腰痛、筋肉痛が度々」程度で済むかもしれませんが、「体からの信号に鈍感な人」は重症になるケースも多いです。十分気を付けて下さい。